- いかん
- I
いかん(連語)〔「いかぬ」の転〕「いかぬ」に同じ。II
「そこに入っては~ん」「君, そういうことをしちゃあ~んよ」「仕事の方がうまく~んのです」
いかん【位冠】古代, 位階を示した冠。→ 冠位IIIいかん【位官】位と官職。 官位。IVいかん【偉観】すばらしい眺め。 堂々とした情景。 壮観。Vいかん【医官】医務を担当する官吏。VIいかん【囲環】周囲をとりまくこと。 また, そのもの。VII「五百余名之を~して着席し/経国美談(竜渓)」
いかん【如何・奈何】〔「いかに」の転〕※一※ (名)事の成り行き。 その状態。 次第。「理由の~を問わない」「事情の~によっては考慮する」
※二※ (副)多く文末に用いて, 疑い問う意を表す。 どうか。 どうであるか。「家君の病は~/花柳春話(純一郎)」
~が〔「いかにか」の転〕どのようにして。 どうして。 疑問・反語の文に用いる。「~歩みを険難の道にはこばん/平家2」
~せん(1)どうしようにも。 残念ながら。「~時間がない」
(2)…をどうしよう。 どうしようもない。「資金なきを~」
~ぞ〔「いかにぞ」の転。 漢文訓読に由来する語法〕(1)「いかにぞ{(1)}」に同じ。「事に於ては~/大唐西域記(長寛点)」
(2)「いかにぞ{(2)}」に同じ。「聡明にして, 能く言(モノイ)ふ霊鳥~時の嶮しきに逢へる/浄瑠璃・平家女護島」
(3)「いかにぞ{(3)}」に同じ。「言, 宣ぶるに足らず, 殊沢を荷ひて~勝(タ)へむ/大慈恩寺三蔵法師伝(承徳点)」
→ いかにぞ~となればなぜかというと。~とも(あとに打ち消し表現を伴って)どうにも。VIII「~しがたい」
いかん【尉官】軍人の階級のうち, 大尉・中尉・少尉の総称。 自衛隊では一尉・二尉・三尉をいう。IXいかん【異観】(1)普通には見られない珍しい景色。 奇観。(2)変わった情景。X「~を呈する」
いかん【移監】囚人を他の監獄に移すこと。XIいかん【移監】囚人を別の監獄へ移すこと。XIIいかん【移管】管理・管轄の権限を他に渡すこと。XIII「県から市に~する」
いかん【衣冠】(1)衣服と冠。 服装。「~を正す」
(2)平安中期以降, 束帯に次ぐ正装。 束帯から下襲(シタガサネ)と石帯をはぶき, 表袴(ウエノハカマ)と指貫(サシヌキ)にかえた活動的な服装で, 文官・武官の別なく広く用いられた。XIVいかん【遺憾】思っているようにならなくて心残りであること。 残念な, そのさま。「このような結果になりまことに~に存じます」「~の意を表する」「~なきを期する」「~千万(センバン)」
~ながら残念ながら。「~出席できません」
~無く十分に。 十二分に。 申し分なく。「実力を~発揮する」
~の意(イ)を表(ヒヨウ)・する残念であるという気持ちを表す。〔自分の行動を釈明してわびる場合にも, 相手の行動に対して非難の気持ちを表す場合にも用いる〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.